39歳で3度目の流産を経験したとき
「もう子どもは諦めよう」という気持ちになっていました。
私の体の中では子どもは育たないんだと思ったし
出産や子育て以上にやりたいことがあるとわかったからです。
それを裏付けるような体験が私にはありました。
以前にも書きましたが、私は妊娠を予感しながらも
病院で調べようとはしませんでした。
それは8月に舞台での本番(ダンス)があって
私はどうしてもそれに出なくてはいけない、出たいと思ったからです。
本番前のダンスのリハーサルをしている最中、
急に体から何かが抜けたような感覚がありました。
突然体が軽く、楽になりました。
おかげさまで本番はとてもいい状態で踊ることができました。
本番が終わり、帰ってすぐに産婦人科を受診したところ、妊娠反応がありました。
やはりそうだったんだ、と思いました。
そのとき私は、妊娠した喜びよりも「しばらくこの活動をやめなくてはいけない」ことに不安を覚えていました。
それから少ししてまた病院を受診したところ、どうも子どもが育っていないと言われました。
おそらく9週か10週あたりにはなっていたのに心拍が確認できなかったんです。
たぶん流産だろうとお医者さんからは言われました。
その日の夜、お腹が痛くなりひどい出血がありました。
自然流産を初めて経験しました。
ようやく3度目にしてお母さんになるのかな、と覚悟しかけたとき、子どもはすでにいなくなっていました。
そして私は思いました。
子どもが還ったのはきっと、あのリハーサルの時だと。
おそらく子どもは私の気持ちを察してくれたんだろうと思います。
そんなことがあるのかと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが
魂はこの世の人たちの考えがわかるんですね。
子どもが欲しいと願い続けてきたのに、最終的に私は子育てよりも、自分がやりたい道を選ぶことになりました。
人によっては、お母さんと芸術活動を両立することもできたのかもしれません。
でも私はそんなに器用じゃない。
迷いがあった私の背中を赤ちゃんが押してくれた形になりました。
寂しい気持ちもありますが、人生はこの一度きりではないことを私は知ったので、今回は夫とふたり家族で生きていくことを自分で選んだのでした。
だからこそ、諦めずにがんばりたいなと思っています。