G-1TLR0R601K

母の涙

2024年08月30日 23:48
カテゴリ: 1度目の流産

翌朝になり、いよいよ手術室に入りました。

私が通っていた産婦人科は、昔からその地域にある病院でした。
おじいちゃん先生がひとりで、看護師さんも2~3人くらいしか見ませんでした。
患者さんもいつもほぼいなくて、ひとりかふたり見かけるかどうか。

処置が始まったのですが、最初は麻酔なしでした。
何をしているのかは全く分からなかったけど、何度も激痛がありました。
あまりの痛みに、もう殺してほしいとさえ思いました。
苦痛に耐えながら、私はそれほどの罪を犯したのかもしれないと思いました。
ひどい罪悪感が、痛みとともに私を傷つけました。

十数分後なのか、それとも数分だったのかわかりませんが
ようやく麻酔が打たれました。

ぼんやりと意識が戻ったとき、母と看護師さんの会話が聞こえてきました。

母が涙声で「どうしてこんなことになっちゃったんでしょうね」と言いました。
看護師さんは「若いんだからまたすぐにできますよ」と言っていました。

私は母を悲しませてしまった。
そのことに、私はものすごくショックを受けていました。

赤ちゃんを亡くしたことよりも、手術が痛くてつらかったことよりも、母を喜ばせてあげられなかったことが悲しくて悔しくて。
目が覚めているのを気づかれないように、母に背を向けたまま寝たふりを続けていました。
一生懸命涙を止めようとしたけれど、後から後からあふれてきて、しばらくそのまま動けませんでした。

記事一覧を見る